ヨガについて

ヨガ(ヨーガ)とは

ヨガのことを、柔軟体操、健康法、ダイエットのためのエクササイズと思っていませんか?

確かにヨガは柔軟性を高め、健康を促進し、ダイエット効果も期待できます。
でもそれらはヨガを行っていく上で得られる副産物に過ぎません。

ヨガとは何なのか。その本質を、まずは語源からたどっていくことにしましょう。

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ヨガの語源はYUJ(ユジュ)。
とは「軛(くびき)をつける」という意味のサンスクリット語(古代インド語)です。
軛とは、荷台を引く牛馬の頸の後ろにかける横木のこと。

「ヨガ」には、その軛を装着する、つまり牛馬と荷台を結合する、結びつけるという意味があり、そこから転じて精神統一、心を一点に集中させるという意味があります。

ヨガに限らず、東洋の世界では、人の心を牛馬に喩えることがよくあります。
絶えず忙しく動き回り、なかなか捕らえることができない牛馬の性質が、私たちの心と同じような振る舞いをすることからなのでしょう。
その暴れまわる心を一点に結びつけて集中させる。それが「結合」の意味です。

この他にも「結合」には様々な意味が含まれています。それは心と身体を結びつけること、自分の心と他人の心を結びつけること、同時に自分と宇宙を、そしてあらゆるものを統合することを意味しています。

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このように、ヨガという語には様々な意味、表現の仕方があるのですが、それらは本質的には同じこと、つまり「調和の心をつくる」という共通点をもっています。

あらゆるものと対立することなく、調和して溶け合う。ヨガという言葉には、こういった状態を目指すという意味がひめられていて、そしてそれが目指すべき境地であることを教えてくれているのです。

ヨガという言葉が意味する「調和」を、もう少し深く掘り下げてみましょう。

例えば、頭が痛いとき。
痛みとは、身体の異常を心に知らせる非常ベルのようなもの。
頭の中で血流が不足したり、逆に増えすぎたりして異常が起こっているのです。

そんな身体の異常を、心はその痛みを消すことだけを考え、痛み止めを飲んでベルが聞こえないようにしてしまいます。
これが心と身体の「分離」です。
心が身体の要求を無視して、何の対処もしないどころか、ただその悲鳴を聞こえないようにしてしまっているのです。

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これを他人との間におきかえましょう。
相手が嫌がっているにも関わらず、その意見を無視して自分の意見を押し付ける。
これが意見の対立、分離している状態です。

このような状態をリセットして、あらゆるものと「調和」する心を作ること。
相手の気持ちと自分の気持ちを「結合」することで、調和の状態を作り出すこと。
この考え方がヨガのベースにあり、その極みともいえる状態をヨガは目指しているのです。

そして、この調和の心を培うことで、周囲との人間関係が円滑になり、自分の身体に対するケアの気持ちが生まれ、強い精神を作ることができるようになる。

その結果、本当の健康、美しさ、柔軟性が手に入るとヨガでは考えています。

ヨーガ効果

●ストレス発散効果

心を乱し、様々な不調を引き起こす元凶であるストレス。
このストレスを、心の問題として考えていませんか?

ヨガでは、ストレスは心身両面の問題と考えます。
思い通りに物事が進まないとき、それを乗り越えたくて、壊したくて、泣きたくてエネルギーが湧き起ってきます。

実は、この困難を乗り切るためのエネルギーこそが、ストレスの正体なのです。
もしそのエネルギーを額面通りに使えたとしたら、ストレスはどこにも蓄積しません。
ただ、多くの場合、困難は持続するし、物は壊せないし、泣くに泣けない。
そんな状況が続くことで、行き場のないエネルギーが身体に蓄積してしまうのです。

ヨガのポーズは、この過剰なエネルギーを使いきり、緊張で硬くなった筋肉をほぐし、不要なエネルギー=ストレスを効率よく解消します。
また、ポーズ中の深い呼吸は、過剰な緊張を解除し、ゆったりとした心のバランスを取り戻してくれます。
こういったストレス解消効果が、ヨガの持つメンタル調整効果を高める大きな一因となっているのです。

●集中効果

ヨガでは、身体と呼吸を上手に使って、心を自然な形で集中へと導こうとするのです。
目を閉じてひたすら集中しようとしたところで、決して止まることのなかった心も、様々なポーズを行うだけで、自然に身体へと意識が向かうようになります。
動きや刺激があるからこそ、心は自然に鎮まってくるのです。

また、集中しているときの身体の状態=充実した下腹、すらりと伸びる腰、開放された胸、くつろいだ肩、そんな姿勢を意識しながらポーズを続け、呼吸を深めていると、自然に心がひとつの対象へと導かれていくのです。

こうしたヨガの様々なテクニックを通して集中を深めることで、理想的な状態へと調整されていくのです。

●調和効果

乱れた心を調えるばかりでなく、物事の捉え方を変えることで、心の乱れを未然に防いでくれるのがヨガの最大の魅力といえます。

水が半分入っているコップを見て、まだ残っていたと喜ぶ人、逆に半分しかなかったと悲しむ人。
簡単に言えばこの両者の違いで、ストレスの多さ、日常のハッピー感が大きく変わってきます。

ヨガは、あらゆるものとの接し方、向き合い方、感じ方を、よりハッピーになるように変えてくれるのです。

ポーズ中に聞こえてくる内なる身体の声=心地よさ、痛み、伸びた感じ、縮んだ感じ、バランス。
そういった身体の声に耳を傾けながら、自分の身体との向き合い方、ひいては様々なものとの向き合い方を調整していくことこそが、ヨガが目指す最も深い境地、そして効果といえるのです。

ポーズ解説

ダウンドッグ

ヨガのポーズ:ダウンドッグ

効 果 肩こり、疲労回復、脚の血行促進に効果的
行い方
  1. 四つん這いになり、手のひらを肩幅にします。足は腰幅に開きつま先を立てましょう。
  2. 吐くと同時に床を押して、お尻を高く持ち上げます。
  3. 腰を後ろへ引き、かかとは床をめざし、背面をストレッチしましょう。お尻・手・足で三角形を作るように意識しましょう。
  4. ゆっくり呼吸を繰り返しましょう(5呼吸程度)。

ベイビィーポーズ

ヨガのポーズ:ベイビィーポーズ

効 果 腰痛、腸の活性化、生理痛、内臓の浄化に効果的
行い方
  1. 仰向けになり、両脚を軽く揃えます。
  2. 両膝を立てたら、両手で膝を抱きしめ、胸の方に近づけます。
  3. そのままゆったりとした呼吸を続けます(5呼吸程度)。
  4. 手を離して、両脚を伸ばし軽く開いてリラックスしましょう。

チャイルドポーズ

ヨガのポーズ:チャイルドポーズ

効 果 首の凝り、腕の痛み、腰痛緩和、自律神経の調整にも効果的
行い方
  1. 四つん這いになります。両手は肩幅に、両脚は腰幅に開きます。
  2. 息を吐きながらお尻をかかとの上に下ろし、上体を前に倒して両手を伸ばしたまま力を抜いていきます。
  3. つま先を伸ばし、呼吸が楽になるように顔の向きを変えたり、膝を開いたりしてください。
  4. このまま呼吸を続けます(1分間程度)。
  5. 吐きながらゆっくり身体を起こしましょう。

ポーズは決して無理することなく、ゆっくりとした呼吸を意識しながら行ってください。

ご自分の気持ちいい感覚でポーズか決まったら、あとはポーズから開放された時の感覚に集中してください。